【マレーシア不動産上級編】売却手続きを効率的に行うための完全ガイド

不動産

こんにちは、ヒロです!

今回は「【マレーシア不動産上級編】売却手続きを効率的に行うための完全ガイド」というタイトルで記事を書いていきます。

クアラルンプールの不動産市場は活況を呈しており、所有する不動産を売却することは、多くのチャンスと同時に、いくつか困難な場面に直面します。本記事では、マレーシアでの不動産売却手続きのプロセスを綿密に解説し、効率的でスムーズな売却を実現するための実用的なアドバイスを提供します。

売却プロセスは単に買い手を見つけること以上のものです。価格設定、物件の準備、適切なマーケティング戦略、そして複雑な法的手続きのナビゲートが必要です。売却の成功は、これらの要素をいかにうまく組み合わせるかにかかっています。このガイドでは、市場分析から始まり、物件の価格設定、書類の準備、交渉のコツ、そして最終的な契約の締結に至るまで、各ステップを詳細に説明します。

マレーシアの不動産を売却する際、特にクアラルンプールのような競争の激しい市場では、適切な準備と情報が不可欠です。本記事を通じて、売却手続きの各段階において何を期待し、どのように対応すべきかの洞察を提供し、あなたの不動産売却を成功に導くための道しるべとなることを願っています。不動産売却は複雑で時間がかかるプロセスかもしれませんが、正しい知識と準備があれば、より簡単で利益の大きい経験となるでしょう。

この記事はこんな人におすすめ

✔️海外不動産の知識を深めたい方

✔️マレーシア不動産の売却を検討している方

✔️不動産の売却手続きで困難に直面している方

それでは早速参りましょう!

売却手続きの一連の流れ

不動産エージェントを探す

マレーシアでの不動産売却は、大きな利益をもたらす可能性がありますが、成功するためには正しい方法が必要です。売却のプロセスを効率的に進めるためには、現地の不動産市場に精通した信頼できる不動産エージェントの選定が鍵となります。直接売買を試みることも可能ですが、市場の理解不足や言語の壁など、様々なリスクが伴います。

そのため、マレーシアの不動産売却を専門とする、日本およびマレーシアに拠点を持つ不動産会社の利用をおすすめします。これらの会社は、売却に関するセミナーを定期的に開催し、売主に市場の最新情報や貴重なアドバイスを提供しています。特に、マレーシアに事務所を構える不動産会社を選ぶことで、最新かつ具体的な市場情報を得られ、より高い価格での売却やスムーズな取引が可能になります。

マレーシアの不動産を売却する際には、専門的な知識と経験を持つエージェントを通じて、リスクを最小限に抑え、最適な売却戦略を立てることが大切です。マレーシア不動産市場での成功の可能性を高め、売却から最大の利益を得るために、適切な不動産エージェントの選択を心がけましょう。

売却価格の設定&販売方法

マレーシアで不動産を売却する際、最も重要な要素の一つが適切な売却価格の設定です。具体的には、「市場価値の把握」「適正価格の設定方法」そして「価格交渉の戦略」の3つになります。

まず「市場価格の把握」「適正価格の設定方法」に関しては、以下のマレーシア不動産ポータルサイトで現在の市場感や販売価格を確認することができます。

PropertyGuru

iProperty

PropertyGuruはマレーシア不動産ポータルサイト業界No1でiPropertyはNo2のアクセス数を誇っています。

また過去の売却価格をリサーチするサイトとしては、以下のサイトがおすすめです。
※完成後すぐに売却希望のオーナー様も多いかと思います。その場合は売却取引実績が確認できない場合がありますので、購入物件近くの価格をリサーチください。

Brickz

物件の価格設定では、市場動向、物件の条件、周辺環境など多くの要因を考慮する必要があります。また、物件のアピールポイントを最大限に生かし、買い手の関心を引く物件写真の撮り方も重要です。
※物件写真を撮影する際は、お部屋を明るくした上で広角カメラで撮影しましょう。

売却価格が決定したら、「価格交渉戦略」についても考えておきましょう。例えば、最低売却希望をRM120万(約3,600万円)で設定した場合に、不動産ポータルサイトに掲載する場合は、初めにRM130万(約3,900万円)で掲載し、見込み顧客が獲得できた際に特別割引という形で最終売却価格を決定していただければとお思います。こちらの進め方については不動産エージェントと決定ください。

買主・売主で弁護士を立てる

マレーシアで不動産を売却する際、買主、売主ともに弁護士を立てる必要があります。この時の注意点は買主、売主ともにマレーシア人の弁護士を手配する形となります。
※あくまでマレーシア不動産を売却する際のルールになります。

さらに弁護士費用に関しては、買主、売主でお支払いする形となります。不動産エージェントに依頼する場合は、弁護士の手配をしていただけますのでご安心ください。

尚、弁護士の手配は後述する購入申込書の署名&申込金のお支払い後でも問題ありません。

購入申込書の署名&申込金のお支払い

購入希望者が見つかった場合は、買主と売主が購入申込書(通称:Offer Letter)を記入し、売主の弁護士へ提出することで、物件の購入予約を行うことができます。

申込書の提出と同時に、物件価格の3%の予約申込金を支払うことが一般的です。この金額は、購入意思の表明として重要であり、取引の進行に必須です。また3%の予約金は売主ではなく、売主の弁護士に振り込むのが一般的になります。

またお申し込み時には以下の必要書類を弁護士に提出する必要があるのでご注意ください。

▶︎個人名義の場合

・パスポートのスキャンコピー

▶︎法人名義の場合

・パスポートのスキャンコピー
・会社定款
・会社謄本(履歴事項全部証明書)
・印鑑証明

・会社取締役の決議書
・会社議事録

※会社書類「会社定款」「会社謄本(履歴事項全部証明書)」「印鑑証明」は英語翻訳したものを提出する必要があります。翻訳については提携先エージェントにご確認ください。
※尚「会社取締役の決議書」と「会社議事録」のサンプルについては担当弁護士より取得してください。

売買契約書の作成&合意

申込金のお支払い後に、売主と買主の弁護士間で売買契約の条件を交渉の上、売買契約書の作成を行います。

売買契約書の作成後、売主と買主が内容を確認し、問題ないようであれば合意することで先の手続きに進むことができます。

買主が売買契約書の署名&手付金のお支払い

売買契約書の内容に合意をした後は、まずは買主から売買契約書に署名します。

売買契約書に署名後、手付金のお支払いを行います。手付金に関しては、通常、物件価格の10%(申込金を差し引いた金額)とされています。すでに支払われた申込金を差し引いた残額を支払うことになります。これは、不動産取引における買主のコミットメントを示す重要なステップとなります。

売主が売買契約書の署名

買主が売買契約書の署名&手付金のお支払い後は、売主が売買契約書の署名を行います。

必要書類の準備

マレーシア大使館で署名を行う前に必要書類を揃える必要があります。必要書類は以下の通りです。

▶︎個人名義の場合

・パスポート原本
・パスポートコピー4部
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
※本人確認書類は現住所を確認するために必要になります。

▶︎法人名義の場合

・パスポート原本
・パスポートコピー 4部
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・会社定款 原本3部
・会社謄本(履歴事項全部証明書)原本4部
・印鑑証明 原本3部
・会社実印

※会社書類「会社定款」「会社謄本(履歴事項全部証明書)」「印鑑証明」の内1部はマレーシア大使館用になります。
※取締役が複数人いる場合には、最低2名の署名が必要になりますので、当日の署名時にも同席が必要となるのでご注意ください。取締役が1名の場合は、その本人が出席ください。

公証役場での認証手続き

認証が必要な書類は以下になります。
※認証手続きについては、ご自宅から近い公証役場で手続き可能になります。

▶︎個人名義の場合

・パスポート認証 2部
・サイン認証 1部

▶︎法人名義の場合

・パスポート認証 2部
・サイン認証 1部
・会社定款 2部
・会社謄本(履歴事項全部証明書)3部
・印鑑証明 2部

※上記は役員が1名の場合の数になります。

また認証手続きとマレーシア大使館に支払う費用は
個人名義の場合は約40,000円、法人名義の場合は約130,000円かかりますので、現金をご持参ください。

マレーシア大使館(渋谷)にて必要書類の署名&提出

弁護士から準備された「譲渡証書」「譲渡証書に対する州政府の同意申請書を大使館スタッフの面前で署名する必要があります。また認証手続きをした1部の書類を提出する必要があるので、大使館スタッフの指示に従ってください。

買主の弁護士が売買契約書の署名

売主が売買契約書をマレーシア大使館で署名後、売買契約書が買主の弁護士事務所に郵送され、署名をします。

登記移転手続き

現時点で売主の名義で登録されている権利書の解除を行なった後に、買主の弁護士が買主のために登記移転手続きを行う。登記移転手続きの詳しい手順は以下の記事をご確認ください。

【99%が知らない?】マレーシア不動産所有権移転手続きの全プロセス徹底解説!

最終金のお支払い

登記移転手続きが終了間近になると、物件価格の90%の最終金を売主の弁護士に振り込みます。

不足分が発生していないよう送金明細を送付いただき着金確認を行うようにしましょう。

鍵のお引き渡し

売却手続きの場合、購入申込書の署名から引き渡しまで通常3ヶ月の期間を要します。この段階で、買主より物件を視察した上で購入している可能性が高いため、最終仕上がりを確認することが非常に重要です。仕上がりに関する細かな修正や改善点がある場合は、この期間内に補修することが必要になります。
※補修費用は売主(販売者)負担となるためご了承ください。

買主名義のストラタタイトル(所有権)が発行

正式に登録されたストラタタイトル(所有権)が発行された後、原本は買主に郵送されます。

またこの時点で弁護士事務所に振り込まれていた100%分の購入代金は、売主の口座に送金となります。

以上で売却手続きの一連のプロセスは終了となります。

最後に

本記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました。このガイドを通じて、クアラルンプールの不動産売却における各ステップを詳細に解説し、売却プロセスの複雑さを少しでもほぐすことができれば幸いです。不動産売却は、しばしば多くの疑問や不安を伴いますが、適切な知識と準備があれば、これらの課題を乗り越えることが可能です。

マレーシアの不動産市場は、その特有の法的枠組みと市場の動向を理解することで、より良い売却結果を達成することができます。本ガイドが、価格設定から契約書の作成、最終金の支払いに至るまで、売却プロセスのあらゆる側面について、貴重な洞察を提供したことを願っています。

最後に、不動産売却は複雑なプロセスですが、適切な準備と情報に基づいた行動で、スムーズかつ効率的に進めることが可能です。このガイドがそのための一助となれば幸いです。

それでは次回の不動産記事でお会いしましょう!

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